日本の固有種『ハマボウ』
最近見つけた新し散歩道には、さまざまな花木に囲まれた畑があります。
民家も何もない一面の田んぼの中に急に現れる砂漠の中のオアシスの様な一角です。
そこには椿が数種類、梅の木、夏椿、ツツジ、水仙、紫陽花、グミの木など…季節の花が咲いています。
先日そこで見つけたのは、ハマボウの薄い黄色の花です。
ハマボウとは
ハマボウ (浜朴 別名.黄槿)
アオイ科 フヨウ属 落葉低木 日本の固有種
ハマボウは、関東以南、四国・九州の沿岸部と韓国南部に分布する植物です。
同じアオイ科の「フヨウ」や「ムクゲ」とも花の雰囲気がよく似ていますが、
その2種の植物との大きな違いは、それらに比べて明らかに葉が肉厚で、葉が裏表で色が違うところです。
ハマボウと名のつく植物の中には「サキシマハマボウ」や「テリハハマボウ」「オオハマボウ」など、
それぞれ違った特徴を持っています。
見分けるポイントとして一番わかりやすいのはやはり「葉っぱの形」です。
簡単にご紹介しておきますね。
ハマボウに似た植物①ーサキシマハマボウ
サキシマハマボウ アオイ科 サキシマハマボウ属
常緑高木 分布.沖永良部島〜沖縄県、台湾、熱帯アジア
ハマボウに似た植物②テリハハマボウ
テリハハマボウ アオイ科 フヨウ属
常緑高木 小笠原諸島固有種
テリハハマボウテリハハマボウ (アオイ科フヨウ属)【照葉浜朴】(Hibiscus glaber) 別名:モンテンボク小笠原諸島の固有種でwww.neko-net.com
ハマボウに似た植物③ーオオハマボウ
オオハマボウ アオイ科 フヨウ属
常緑小高木 分布.種子島、屋久島、沖縄県〜亜熱帯、熱帯地域
日本の原種のハイビスカスを保全する動き
ハマボウは、日本の原種のハイビスカスとも呼ばれています。
あれあれ、また新しい植物の名前が出てきましたが、ハマボウとハイビスカスは同じ科・属なのです。
↓以前noteで書いたハイビスカスの記事はこちら
https://note.com/embed/notes/n036ecb0e062d
沿岸部に自生するハマボウは、満潮時に海水に浸かるような場所でも生育することができます(塩性植物)。
まるでマングローブの様ですね。
しかし、河川の整備等が進んでいる現在、ハマボウの生育できる環境は減少傾向、
それに伴いハマボウもいくつかの県で(国指定ではない)広く絶滅危惧種指定されています。
実際に、大阪府では自生していたハマボウは絶滅した。と言われています。
宮崎県や鹿児島県などの比較的温暖な地域でも「準絶滅危惧種」
四国や中国地方のいくつかの県では「絶滅危惧種」として、自生するハマボウを保全をしようという動きもあります。
鹿児島弁で「ヒシテバナ」
鹿児島県の一部の地域では、ハマボウのことを「ヒシテバナ」と呼ぶそうですが、
その名を聞いて、私は「なるほどな」と納得しました。
「ヒシテ_バナ」この「ひして」と言う方言は鹿児島県民ならよく使う言葉です。
ハマボウの花は、花期が長く夏の間は一日中(ひして)咲いていることから、そう呼ばれたのでしょう。
ひして「ひしち」
意味:一日。終日。
由来/語源:「終日」を意味する「日1日(ひひとひ)」の転訛。
用例
いっきすんじゃろち、おもおしてや、ひしてかかいもしたお。
(訳:すぐに済むだろうと思っていたら、一日かかりましたよ。)
まとめーアオイ科の植物の面白さ
このアオイ科の植物のお話を書き始めると、一緒に紹介したい植物が次々出てくるのでとても面白く、
そして、毎回ちゃんと整理し切らないまま次々に植物の名前を羅列してしまうので、
読みにくいのではないかな。と思ってはいます。
思っているものの、どうしても欲張ってご紹介してしまうのです。
唐突に、オクラの保存方法
そもそも、黄色の花を咲かせるアオイ科の植物と言えば、みなさんの夏の大好物!
(いや、苦手な人もいらっしゃるでしょうが)オクラ<アオイ科トロロアオイ属>がありますよね。
私、先日一足お先にご近所から大量のオクラをいただいたんですよ。
大量のオクラを、新鮮でこれからの季節都合よく食べるためには、一旦湯がいてから冷凍保存するのがお勧めです。
と、余計に情報量が増えてきました(笑)
もうお腹いっぱいが聞こえそうなので、今日はここまで。
今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。