紫陽花の色の変わる理由
梅雨の季節になると、SNSはみなさんの発信される紫陽花の花で華やかになります。
今回は、毎年質問のある「紫陽花の色はなぜ変わるのか」についてまとめておきます。
紫陽花の色が変わる前提
紫陽花をいただいた。もしくは買ってきて1年目。
気に入った色のお花にとても満足していたので、翌年もとても楽しみにしていたのに、
去年と花の色が違う!?なんてことありますよね。
また、ズラーっと紫陽花を植えてみたんだけど、
何種類かだけ色が白っぽかったり薄かったり、ちょっとだけ違う。なんてことも。
こういった「なぜですか?」という疑問について整理していきましょう。
色が薄い、または白い理由①DNAの影響
紫陽花の花に含まれているアントシアニン。
これが土壌のアルミニウムと反応して色が変わる。というのが基礎知識になります。
そこで、そもそも紫陽花自体がアントシアニンを含まない。
もしくは本当に微量しか含んでいない品種は、色の変化が起こらない。
またははっきりとした色にならない。という特性があります。
色が薄い、または白い理由②土壌にアルミニウムが含まれない
先に書いたように、紫陽花の花色は、花に含まれるアントシアニンと
土壌のアルミニウムが反応して色が変わる。と説明しましたが、
そもそも土壌にアルミニウムが含まれない場合には、花の色の変化が起こりにくいです。
紫陽花の色が変わる理由
先ほどの前提を押さえた上で、紫陽花の色が変わる理由について。
整理すると3つ考えられます。
紫陽花の色が変わる理由①土のph
紫陽花の花の色は土壌のphに大きく影響を受けると言われているのは皆さんご存知でしょう。
そう、「土壌が酸性だと紫陽花は青色になる。」と言われています。
しかし、なぜ土壌が酸性だと青色になるか。についてもせっかくなので補足しておきますね。
「土壌が酸性だと、土壌に含まれるアルミニウムが溶け出しやすいから。」
日本の土壌は概ね酸性に傾くと言われています。
そして、アルミニウムは酸性土壌において少なからず植物の成長にストレスになる場合があるといわれています。
そのストレスを受ける度合いは植物によって差があるようですので、
「青い」紫陽花は育つのに、他の植物がどうも育たないのよー。なんて場合には、
その土の中のアルミニウムの影響も原因の一つになりうる。ということです。
紫陽花の色が変わる理由②土の水分量
土の水分量が、なぜ紫陽花の色に影響するかというと、これもアルミニウムが関係します。
「アルミニウムは水に溶け出しやすい」性質があるのです。
酸性の土壌でしかも土が湿り気がある場所の場合、青い色の紫陽花がより咲きやすい条件になります。
この、土の水分量というのは年によって雨量に大きな差が出た場合、
傾斜地のような水の流れやすい場所では、そこで例年「濃い青色」が咲いていたのにもかかわらず、
雨の極端に少なかった年は「濃い紫色」になったりする可能性が出てきます。
紫陽花の色が変わる理由③土のリン酸過多
肥料分の中の「リン酸」が多いと、土の中のアルミニウムが溶け出しにくくなります。
そうすると、紫陽花は自ずと「ピンク色」になってしまいます。
紫陽花に肥料をあげる場合の肥料は、リン酸成分の比率に偏りがあるものを選んでいませんでしたでしょうか。
元々肥料分の「リン酸」は開花や結実を促す効果が期待されます。
花を咲かせる肥料。として選択するのはごもっともなのですが、
紫陽花の花の色に影響が出てしまうので注意が必要です。
まとめ
紫陽花の花の色が変わる理由。なんとなくお分かりいただけましたでしょうか。
今回の記事は、noteで書いた記事を抜粋したものになります。
もし気になる方は、noteも併せてご覧ください。
梅雨の花ー紫陽花のお話その④紫陽花の色が変わる3つの理由
https://note.com/haco_garden_d/n/n0fb848849f55